Wellmira CEO 渡辺×テクミラHD代表 池田が語る
“Wellmira(ウェルミラ)が目指す ウェルネスの新しいミライ”とは?
2002年の創業以来、『世界中の誰もが自然に健康になれる社会を創る』をミッションに、健康・予防分野のITサービスを提供してきた株式会社リンクアンドコミュニケーションは、2024年1月1日、テクミラホールディングスの子会社であるネオス株式会社のヘルスケア事業を吸収分割により承継し、テクミラグループに参画しました。
また社名もリンクアンドコミュニケーションからWellmira(ウェルミラ)へ変更、”Wellnessのmirai(ミライ)を創造する企業”として、成長・拡大に向けて新たな一歩を踏み出しました。
そこで、Wellmira代表取締役CEOの渡辺敏成と、Wellmira取締役会長でテクミラホールディングス代表取締役社長の池田 昌史に、”Wellmiraが目指すウェルネスのミライ”について語ってもらいました。
両社のヘルスケアビジネスの始まりは?
WellmiraCEO 渡辺敏成 (以下「渡辺」)
リンクアンドコミュニケーションを創業した2002年は、医療過誤など医療サービスへの不審や満足度の低下が問題視されていました。生活者と医療・ヘルスケアの専門家の間には、情報や知識の格差といったものが存在、お互いがなかなかわかりあえず、結果医療不審にも繋がっていました。そこで情報や知識の差を埋めて、生活者が安心して専門家に相談できる仕組みを構築すれば、問題が解決するのと同時に大きなビジネスチャンスにも繋がるのではないかと考えました。
まずは診療所に出向き、どのような患者さんがいるのかを調査しました。患者さんの6、7割は高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の患者でしたが、生活習慣病治療に必要な、管理栄養士による栄養指導などを提供できている診療所は1割程度とほんの一部だった、というのが実態でした。
一方で管理栄養士は、15万人ほど有資格者がいるにも関わらず、資格を活かして働いている方が約5万人程度(当時)ということもわかりました。多くは育児などご家庭の事情が理由でした。
そこで「生活習慣病患者を多く抱える診療所」と「資格を持っているのに活かせていない管理栄養士」をマッチングさせる仕組みを作れば、問題を解決できると考えました。
これが当社の最初にはじめたサービス「診療所に来る患者さん向けの遠隔栄養指導」となります。診療所に来る患者さんが記載した食事記録をFAXを通じて入手、在宅の管理栄養士がweb上で添削アドバイスし、そのアドバイスを診療所の医師が患者さんに説明する、という診療所を介したB2B2Cサービスです。
このリアルの施設を巻き込んだB2B2C展開が、当社のサービス展開の原型であり、現在提供しているAI健康アプリ「カロママ プラス」にも繋がっています。
テクミラHD社長 池田昌史(以下「池田」)
もともと、創業時のプライムワークス時代から、ヘルスケア案件には携わってきました。事業形態はモバイルベンチャーでしたが、当時のITソリューションはWEBサイト制作中心、まだWEBサイトを持たない会社もたくさんあった時代です。
その当時からヘルスケアは関心を持ちつつも、規制などの面で難しい領域だと感じていました。国の規制も厳しいし、消費者も健康の予防にお金を払うっていうのは、日本ではなかなか難しい面もあるかなと。
しかし多くの業界は変化しています。IT業界も20年やっていますが、まだまだ成熟している業界ではありません。むしろ、裾野が広くなり扱えるジャンルも増えています。
ヘルスケア業界も、昨今では「健康経営」という新しい考え方が出てくるなど、イノベーションも日々起こっており、チャンスが生まれつつあると感じています。
リンクアンドコミュニケーションとは創業初期から20年の付き合いになります。
ヘルスケア分野は専門的な知見が必要で、国の規制も含めて特殊な業界だと思いますが、だからこそITの力をコンバインすることで、将来的には最も有望なジャンルになる可能性が高いと思っています。
Wellmiraには、ヘルスケア分野に携わってきた方々がたくさんいらっしゃるのが、僕からすると非常に魅力的で、今後のシナジーへの期待に胸が膨らみます。
新生Wellmiraの強みは?
渡辺
今回の統合とテクミラグループへの参画により、Wellmiraに強化されたのは、未来を見据えたテクノロジーの開発力です。特にAIを活用したソフトウェアの開発力や、デバイスなどのハードウェアの開発力もヘルスケア事業を推進していく上でとても強みになります。
Wellmiraの事業は、「カロママプラス」「RenoBody」等のウェルネスサービス提供事業と、クライアント企業へのソリューション提供事業の大きく2つに分かれています。
サービス事業においては開発力を活用し、「カロママ プラス」「RenoBody」のサービスレベルを一層進化させていきたいと考えています。
「カロママ プラス」では、AIによる食事や運動、睡眠アドバイスを提供していますが、さらに発展させ、個人の生活に寄り添った、よりパーソナルなアドバイスを提供する「パーソナルエージェント」のような存在に進化させていきたいと思っています。
またソリューション事業では、従来から進めている保険会社や消費財企業に加えて、サービス事業をB2B2C展開する職域や自治体、スポーツクラブ、小売業、医療機関など様々な企業や団体に対しても、開発力を活かしたソリューションを提案していく予定です。
競合他社と比較しても、日常生活の多方面の分野に展開しているのがWellmiraの強みです。この強みを活用し、多くの企業さまのウェルネス領域に最適なITソリューションを提供できる存在になりたいと思います。
Wellmiraが考えるヘルスケアのミライは?
渡辺
高齢化世界に向かう中、ヘルスケアにおいてメディカル(治療)と共に大切になってくるのは、セルフケアによる予防や健康増進、いわゆるウェルネス領域です。 そしてその際、最も重要になってくるのは個人のデータ、PHR(Personal Health Record)だと考えています。
経済産業省においても、近年PHRの推進と利活用を提唱しています。個人のライフログやバイタルデータが、様々な健康サービスや商品開発、医療分野に繋がり、活用される世界です。昨年はPHR元年と言われるように、昨年設立されたPHRサービス事業協会には136社(2024年4月時点)が加盟していますし、2025年に開催される万博でもPHRが主力テーマになっています。ヘルスケア企業はもちろん、ヘルスケア以外の企業も含めて、PHRは事業を進めていく上で、重要な役割を担っていくと感じています。
池田
この1年半ぐらいは、ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)の出現で、世の中のレベルが変わるくらいのブレークスルーが起きました。渡辺さんの話を聞いていて思ったのですが、ITビジネスにおいてもChatGPTの開発のように、情報を蓄積させるために、データを収集するということをやっています。
つまり、ヘルスケアビジネスでもITでも、結局は肝となるのはデータです。
我々も苦労しているのは、どうやって会社ごとに違うデータを取り入れて、独自のGPTを作るかということです。
「カロママ プラス」が目指しているように、ヘルスケア分野でも、質問すると正しい答えをくれるパーソナルエージェントがもう目の前にきています。
AIは、エンタテインメントやファイナンスなど、どんなジャンルにも使えますが、やはり人間の欲求の最たるものは、よりよく生きることじゃないでしょうか?長生きしたいという人間の欲求、ウェルネスの分野においてもAIの活用は、ビジネス的なチャンスでもあります。
ITの力で長生きすることに役立てる。全産業がその方向に向かう可能性も十分あると思います。現時点ではSFの世界の話かもしれませんが、データを記録するのではなく、DNA解析もした上で、自然にデータが記録され、「飲み過ぎですよ」とか、パーソナルエージェントであるカロママがアドバイスをする世界が、数年後には自然になっていると思います。
池田・渡辺
技術の面では、10年でもすごい進化をしてくるので、ビジネスとしては、我々が一番フィットするポジションを見つけて、ターゲットをどこにするかというのは、考えていかなければいけないですね。
この記事を読んでくださった方に伝えたいこと
CEO渡辺からのメッセージ
渡辺
Wellmiraという社名・ロゴには、私たちが実現したい3つの思いをこめています。
1. ウェルネスのミライを見つめ創造する
2. ひとに寄り添い健康を後押しする愛されるサービスを提供する
3. さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応える
Wellmira社員のみなさんは、この3つの思いを実現するための仲間です。
そして、今この記事を興味深く読んでくださっているみなさまは、ウェルネスの未来を共につくるパートナーだと思っています。
ミライに向けて、みんなが自然に健康になれるような社会をぜひ一緒に実現していきたいと思います。
Wellmira 代表取締役社長兼CEO
渡辺 敏成
一橋大学商学部卒業後、味の素株式会社、株式会社ケアネットを経て、2002年7月、株式会社リンクアンドコミュニケーション(現:株式会社Wellmira)を創業し、代表取締役/CEOに就任
テクミラホールディングス 代表取締役社長
(Wellmira取締役会長)
池田 昌史
慶應義塾大学商業部卒業後、NECグループを経て、2004年プライムワークス株式会社(現:テクミラホールディングス株式会社)を創業し、代表取締役社長に就任